なぜアジアの女性は結婚しないのか?

@筆者:五味洋治プロフィール [ 2011年 8月 31日 ]

なぜアジアの女性は結婚しないのか?

 なぜアジアの女性は結婚しないのか?

 イギリスの週刊誌、エコノミストが、アジア女性の結婚についてレポートしている。
女性が結婚を望まなくなることは、アジアの国ではそのまま子供が減少することを意味し、犯罪増加につながるという。

女性は自由を得て、高等教育とやりがいのある仕事を見つける機会が増えるが、このままでは国としての活力が失われる可能性もある。
国際結婚はそういった問題の、解決策の1つになるかもしれない。

「アジアでは、女性が結婚を望まなくなっている。その社会的な影響は深刻だ」と題された記事が掲載されたのはエコノミストの2011年8月22号だ。

「現在アジアで結婚からの逃避が起きている」「多くのアジア女性は一生結婚しない選択をしている」とし、特に日本のケースを取り上げている。

「日本女性は、30代前半の女性の3分の1近くが未婚で、恐らく、その半数は今後も結婚しないだろう。台湾では、30代後半の女性の5分の1以上が未婚で、その大部分が一生独身だ」。

 その原因として同誌は「仕事と家庭の両立の難しさ」を挙げる。

 たとえば「アジアの女性は夫、子供、そしてしばしば年老いた両親の世話をほぼ一手に引き受けなければならない。しかも、たとえフルタイムの仕事に就いても、同じ役割を続けることを期待される。そのこと自体は世界共通だが、アジアの女性は特に負担が大きい。例えば日本の女性は一般的に週40時間働き、さらに平均30時間の家事をこなす。夫が家事を手伝う時間は平均3時間だ。また、アジアの女性は育児のために仕事を辞めると、子供が大きくなってから仕事に復帰するのが難しい」とある。

 この型にはまった見方は、残念ながら今の日本に、まだ当てはまっている。今でも、ほとんどの会社の給与体系は、男性が一家の柱として働くことを前提としている。

 結婚しない女性は高等教育を目指す。大学院や海外留学だ。その結果、能力が高くなるので、必然的に希望する職種も変わってくる。

 これは同誌の記事ではない。

 女性の社会進出が、日本よりも急速に進む韓国のケースだ。

 2009年の国家公務員上級職の女性合格者は46・7%、司法試験合格者は35・6%となった。外交官試験では合格者の6割が女性だ。上級公務員や裁判官、検事に女性が任命されるケースが目立っている。

 こういった女性の社会進出は思わぬ影を社会に落としている。韓国の場合、女性1人が一生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)は2009年に1・15でOECD(経済協力開発機構)加盟国中最低になった。

 日本の将来を考える上で参考になりそうだ。

 エコノミスト誌に戻ろう。

 結婚という枠の外で子供を産むことに批判的なアジアの国では結婚の減少は出生率の急低下にもつながっている。東アジアの出生率は 1960年代後半には女性1人当たり5.3人だったが、現在は1.6人まで減っている。特に結婚率が低い国では1.0人に近づいていると同誌は伝える。

 さらに「結婚は男性を社会に適合させる効果がある。結婚は、男性ホルモンと犯罪行為の減少と関連しており、結婚が減少すれば、犯罪が増加する恐れがある」とも指摘している。

 アジアで結婚を復活させるため、同誌はつぎの提言をしている。

 1)法的に離婚をしやすくすれば、逆説的に、結婚が増加する可能性がある
 2)家族に関する法律を整備して、離婚後の女性が夫婦の財産をより平等に手にできるようにする必要

 3)雇用主に対しては、男女双方の育児休暇を法的に義務づけるー。

 この3つの提案は目新しいものではない。日本でも改善に向けた動きは始まっているが、社会のシステム全体を変えることは容易ではない。
 
 「結婚から逃避する女性」は、今後も増えていくに違いない。

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